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よしだが行く あきないえーど編
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■ 「二足のわらじ」 第五十七話 株式会社コンピュータ・イメージ研究所 畠中兼司 社長
著:「あきない・えーど」所長 吉田雅紀
今回、ご紹介するのは株式会社コンピュータ・イメージ研究所の畠中兼司社長です。http://www.cilab.co.jp本町の本社にお邪魔しました。畠中社長は高知工科大学、電子・光システム工学科の大学教授というもう一つの顔を持ってはります。今、大学発ベンチャーの旗手としてトップを走っておられます。この高知工科大学ですが、私学らしいです。理事長が橋本高知県知事なんで、てっきり、県立だと思っていたのですが、よくお話を聞くと、高知県がお金を出した私学なんですって‥。それで、畠中社長もおもいっきり好きなことができるんですよね。(笑)

畠中社長は昭和22年生まれの55才です。金沢美大を卒業された後、京都工芸繊維大学の人間工学・コンピュータの大学院に進まれます。卒業後はソニー、シャープ、サムスン電子とメーカーで画像処理を中心に研究開発に携わってこられました。そして、2年前に高知工科大学に赴任されます。お話によると、60才からのは「奉仕の人生」を送る為の準備ということでした。畠中社長曰く「僕は人生を3年ごとに区切って考えています。3年が3回で9年。これが一区切りです。この人生計画では60才から80才までは『奉仕の人生』としたいと思っています。今、55才、この奉仕の人生に入る準備に高知工科大学に来ました」

その畠中社長ですが、60才までは研究にビジネスにがんばらなければ、奉仕するにもお金がないとあかんというお考えらしいです。現在はコンピュータ・イメージ研究所を中核企業として関連会社が5社。今年中に後6社が立ち上がって、グループ12社になるとのことでした。すごい勢いですよね。
畠中社長のとこの事業ですが、大きく分けて「システムコンサルティング」「ナビサイトの企画運営」「オンラインゲーム」です。これらの事業を支えているのが、VXLという曲線のデータを圧縮して高速データ伝送ができる技術。魚眼レンズなどで取り込んだ画像の左右を合わせて360度の画像を合成する技術。人物など、動くものを認識して背景から切り取る技術などです。

さて、そんな畠中社長に今後の情報技術の行き所、自社のマーケティング、そして、ベンチャー企業の社長と大学教授の二足のわらじの履き方など、いろいろお聞きしました。
畠中社長はIT業界がコンテンツの時代へと移行すると言っておられます。ITの歴史を見ると、1964年ぐらいからのシステムの時代(僕的にはホストコンピュータの時代)その後、1980年からのPCの時代。(僕的にはクライアント・サーバの時代)そして、1994年からのネットワークの時代。そして、2005年からはコンテンツの時代になるというのが畠中社長のお考えです。
畠中社長「よしださん、携帯電話を考えてみて下さい。ハードはサービスの提供を受ける為のツールですよね。つまり、ハードそのものにはなんの価値もないことになります。当然、その中に入っているアプリケーションにも価値はない。価値があるのはこの携帯電話を使ってのサービスや提供されるコンテンツです。僕たちはこの携帯電話でメールしたり、会話したり、ゲームや音楽、画像を見ることでお金を払っています。僕は携帯電話だけやなくて、世の中のハードやソフトはみんなタダの時代が来ると思っています。いずれ、家電製品から自動車までタダの時代がくるように思います。その時に残るのはコンテンツだけです。唯一コンテンツだけが利益を生む時代がきます。これがコンテンツの時代です。」このお考えから畠中社長のところはコンテンツ開発を中心に事業を進めておられます。

畠中社長には大学の教授としてのもうひとつの顔があります。大学での研究、授業、そして社長業。その両立は大変やとお察しするんですが、その辺のことをお聞きしました。
「両立してますよ。大変って、そら、大変ですが24時間働いたら充分こなせます。大学で研究して、この研究を研究のままで終らせない。研究の成果は富に変えないと意味がありません。研究が会社を通して富を生み、その富をまた大学にもどして研究の資金とする。この循環を実践しようとしています。また、僕は大学の教員という立場で高知県の産業を活性化する為の先頭にも立ちたいと考えています。高知県は第一次産業が強くて、二次産業は全国下位、三次産業も飲食業だけっていう状態です(笑)。僕の考えは強いものをより強くですから、この第一次産業をもっと活性かすることを考えています。」

なんと、県の産業振興にもご尽力されているとは‥
60才まではコンピュータ・イメージ研究所グループの総帥としてがんばって、その後は教育という場で「奉仕の人生」をまっとうしたいと言うのが今の夢とおっしゃっていました。
畠中社長、お忙しい中、お時間をいただきまして、ありがとうございました。終始、畠中社長のパワーに圧倒されっぱなしでしたが、その分、元気をいっぱい頂戴しました。本当にありがとうございました。
■「よしだが行く!」鞄持ち後記■
第57話 大阪大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー 黒川 敦彦

今回鞄持ちをさせていただいた大阪大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーの黒川です。畠中社長のお話は以前から聞いており、今回の鞄持ちの話を振っていただいたことを大変光栄に思います。手前味噌にはなりますが、私も大学の研究を権利化しライセンスや共同研究に持っていったり、実際にベンチャー設立に向けビジネスプランを書いたりという仕事をしており、畠中社長の事例には仕事的にも個人的にも大変興味を持っておりました。
まず、畠中社長の第一印象は強烈な人だなあの一言につきます。「日本を変えるから。俺は竜馬なんだ。」の言葉も真剣にそう思っていらっしゃって、この人ならやってしまうかもと思ってしまいそうな感じがありました。
大学の教授であり、社長でもある畠中社長ですが、今の日本では珍しいケースです。そもそも国立大学では兼業規制が緩和されて取締役になることはできますが、社長というケースはありません。畠中社長のように、しょっちゅう大学外を飛び回っていては、下手をすると大学内の立場が危うくなりかねません。確かに教育者ですから、学生を指導するという業務を無視するわけにはいきませんが、そもそも高知工科大学自体が新しい産業創出および教育システムの構築を目指して設立されたのですから、畠中社長ぐらい強烈な先生がいて学生に外の風をいれてやるということは教育的にも意味のあることでしょう。実際に畠中社長についてビジネスを始めた学生が高知工科大学にはいるみたいですし、何の疑問も感じずに今のシステムに甘んじている大学生よりはきっと何倍も何十倍も勉強していることでしょう。
忙しい人ほど勉強すると思います。学生時代にボーっとするより、畠中社長のような先生が近くにいてくれて、ビジネスに興味を持つ学生が生まれてくるということもこれからは重要だと思います。賛否両論あるでしょうが、多様な価値観を大学にいれることには個人的には賛成です。大学はそもそも自由に議論できる場であるはずですから。(みんながみんな畠中社長みたいになると大変ですが・・・。)
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