吉田コンテンツ
ホーム > 吉田コンテンツ> よしだが行く あきないえーど編
よしだが行く あきないえーど編
«「一代目、二代目、三代目、・・・四代目」 第四十四話 株式会社カワムラ 川村耕一 社長 TOPへ 「教育でしか人は育たない」 第四十六話 株式会社アイティーブースト 中村崇則 社長»
■ 「株式公開への道」 第四十五話 株式会社 エルゴ・ブレインズ 井筒雅博 会長
著:あきない・えーど 柳瀬美仁
皆様こんにちは。
あきない・えーどの柳瀬美仁です。大好評にお応えして(…これ、ウソです。ごめんなさい)「やなせが行く!再び」です。今回は株式会社エルゴ・ブレインズの井筒雅博会長をお訪ねしました。http://www.ergobrains.co.jp しかし前回の経験で、経営者のお話を聞くことの難しさやそれを文章に起こすことの大変さが身にしみてわかったので、今回はちょっと気が重い訪問でした。それでもずっとお会いしてみたいと思っていた井筒会長とお話できる機会を逃したくなくて、再びのやなせが行く!です。

今回の訪問先には、この「よしだが行く!」企画が始まって以来の「お初」が2つあります。ひとつは井筒氏が「社長」ではなく「会長」である事。でも別に後進に道を譲ったよぼよぼのおじいさんて訳じゃありません。「役割」を考えて社長の肩書きを別の方に与えた結果なのです。そしてもうひとつが(株)エルゴ・ブレインズは今年の2月14日(バレンタインデーですね)にナスダック市場に上場を果たされた事です。あきない・えーどには創業を目指していらっしゃる方がたくさんいますよね。また、実際に経営者としてご活躍されている方にも、それが創業者であれ2代目、3代目であれ、「株式の公開を目指しています」っておっしゃる方もたくさんおられると思います。つまり「株式の公開」って、それ自体がひとつの目標になりえたりしますよね。その「目標」を実現された井筒会長から、たっくさんのメッセージをいただきました。それを少しでもお伝えできればうれしいです。
先ず、どうして私が井筒会長とお目にかかりたいと思っていたのか。そこのところからお話いたしましょう。とはいっても、別にたいした理由じゃありません。私がミーハー根性丸出しだったからです。それはひょんなことから手に入れたエルゴ・ブレインズの会社案内に書かれた代表取締役会長の略歴を見た事に始まります。井筒会長は昭和57年に立命館大学をご卒業され、西武百貨店に入社されています。その6年後には広告代理店である株式会社新通に入社され、プロダクションを経て翌年には第一企画株式会社に入社、マーケティング・プランナー、ディレクターを歴任。どうです!すばらしいじゃぁありませんか!!広告代理店でマーケティング・プランナー、ディレクターを歴任して、今は公開企業である「健全かつ効果的なインターネットマーケティングの発展に寄与し、新しいネットワークライフスタイルを創造するために生まれた、ニューコンセプトカンパニー」(っていうのが、会社設立の趣旨です)の会長よ!多分私じゃなくても「会わせて~!」って思うんじゃないでしょうか?

ところが、実際にお目にかかってみると、私の想像していた人物像とは少し違いました。赤いシャツに黄色いネクタイじゃなかったし、金のブレスレットもダイヤモンドぎらぎらの腕時計もしてはいらっしゃいませんでした。多分オープンスポーツカーでもないんでしょう。これじゃ夜の街に繰り出して、最新流行のおしゃれスポットに案内してもらえる、なんてこともなさそうです。ちょっとがっかり…。(あっ、うそよ。ウソ)そこにいらしたのは紺のスーツに身を固め、じっと黙って熟考するタイプの、しかしひとたび顔を上げて話し始めると、自信というか確信に満ち溢れた言葉を発し、強烈なリーダーシップを感じさせるといった方でした。
さて、話を元に戻しましょう。公開を果たされた創業者からのメッセージですね。突然ですが、貴方は今おいくつでしょうか?多分、これをお読みくださっている方々は「中学生です」なんて事はありませんよね。一番お若い方でも18歳くらいかなぁと思います。20代や30代、40代、それ以上の方もいらっしゃると思います。では、5年後、10年後、20年後のご自分の姿を、イメージすることはできますか?独立して、自分の力で立ってバリバリ仕事してるだろうとか、今の会社で課長とか部長の肩書きもって大勢の部下を使って仕事してるだろうとか、子供の面倒見ながら在宅でキャリアを磨いているかなとか。どっちにしても未来の自分を、失業してるだろうなぁなんてマイナスイメージを持ってる人なんていませんよね。未来の自分をイメージできるかどうか。これは井筒会長に言わせると、とても重要なことです。自分が何になりたいか、どういう人間になりたいかを、明確にイメージし、それに向かっていく事。
井筒会長は中学生の頃から、将来は何か自分で事業をしてやろうと思っておられたそうです。何がそう思わせたのか?それは「毎日同じことをするのがイヤ」っていう思いがおありだったからだそうです。今になって思えば、「毎日同じことの繰り返し」なんて仕事はありえないことは良くお分かりです。例えば、毎日パンを焼くって仕事でも、その日の気温や湿度、粉や水の質なんかで微妙に変わりますよね。でも、とにかく毎日新しいものを生み出す仕事、毎日違った世界を覗ける仕事をしたいとの思いがあったようです。それでも大学を卒業してすぐに何かを自分で始めてみるという道は選びませんでした。前述のように大手企業に就職されたのです。いつか自分で事業をしてやるとの強い意志をもって、日々の生活に埋没されずに大手企業でビジネスのイロハを学び、自我を叩かれる。これも井筒会長に言わせるととても重要な事です。でもさらっと言われたこの言葉に、私は圧倒されました。昭和57年といえばまだバブル景気が始まる前の、終身雇用が普通で当たり前だった頃のことだと思うのです。その時代背景を思うとき、単に将来の自分が「何歳で結婚して、子供は何人、マイホームは何歳で…」というのではなかった井筒会長の凄さが迫ってきました。
14年間に渡って、主に「企画」についてみっちり仕込まれた井筒会長は、その間にパソコン通信に面白さを見出し、インターネットに出会い、ついにオプトインメール配信システム(事前承諾(オプトイン)を受けた顧客にメールで情報を配信するシステム)でエルゴ・ブレインズを設立されます。36歳のときだそうです。2年後には株式会社に組織変更。さらにその4年後にはナスダック市場に株式を公開しています。まさにトントン拍子ですね。

公開を果たされた今、なんだか目標を達成してしまって、「燃え尽き症候群」なんかにならないかしら?なんて私の危惧は口にするにも恥ずかしいような言葉が、井筒会長の口からはポンポン飛び出します。「やっとスタートラインに立てたと思うと、これから面白くなるぞぉって気持ちで、わくわくするんですよ! インターネットの世界は、まだ生まれたばかり。守りに入ってどうするんですか?」ふ~ん。スタートラインかぁ。ゴールじゃないのね。って改めて目からうろこでした。株式が市場に上場すると、当然ながら株価というものがつきます。この株価を上げていく義務ってものが生じます。もちろんビジネスですから金儲けが必要ですね。でも、ベンチャー市場への上場とは、社会的基盤、経済的基盤だけを問うているのではなく、今後の志や期待というものを問うているのだと井筒会長はおっしゃいます。そしてそれをどれだけ示せるのかといったことが、リーダーの条件だとおっしゃいます。
このインタビューの間、井筒社長は一貫して、「リーダーとして」お話になっておられました。中学生の頃のお話をされるときも、サラリーマン時代のお話をされるときも、そして、独立されてからのお話をされるときも、ずっと井筒会長はリーダーであり続けたのです。みんながHappyになれる絵をかけるかどうか。ベンチャーキャピタルにお金を出してもらえるような150~200%(100%じゃダメ!)の絵をかけるか。自分にはもっていないけれど必要なものを持っている人間にどれだけ会えるか。またその人々に、どれだけ信じてもらえるのか。自分に不可欠なものをどれだけ選べるか、また選んでもらえるか。どれだけ人を信じられるか、人に任せられるか。それらすべてがリーダーの条件です。私が書きとめることのできたことは、ほんの一部でしかないかもしれません。でも、これらのどれが欠けてもリーダーとは、なりえないのです。そして、リーダーであり続けること、成功をイメージし続けること、それに向かって絶えず前進し続けること、それらが一体となったとき、そこにはきっと自分が行き着きたいと真に願う地点が待っているのです。
いかがでしょう?なんだか支離滅裂になってしまいましたが、公開を果たした創業者からのメッセージが少しでも伝わったでしょうか?これをお読みくださっている皆様は間違いなくそれを欲していることがわかっているのですから、「やなせ」という媒体を通すことなく井筒会長の発するオーラや熱といったものをそのままお伝えすることができればどんなに素敵でしょう。情報を発信するって本当に難しい。でも、少しでも何かが伝わって、一人でも多くの方が自分自身の成功へと進んでいってくだされば、私は本当に嬉しいです。

井筒会長、本当に貴重なお時間を割いてくださって、ありがとうございました。今後もずっとカリスマ的なリーダーシップを発揮し続けてください。それから、会長が「わくわくしてるんです」っておっしゃったときの、本当に楽しそうな表情を忘れません。今後、どんなベクトルを示して、どんな絵を描いていかれるのか、楽しみにしています。ちょっと余裕ができたら、私も株主になりたい・・・。なんて、生意気ですね(笑)。
■「よしだが行く!」鞄持ち後記■
第45話 TFP経営コンサルティング 永石修一

というわけで、突然鞄持ちに任命されました、永石修一と申します。永石って誰やねん?ってお叱りの方のために、2行だけ自己紹介をさせていただきますと、大阪出身、東京在住、37歳、公認会計士で、TFP経営コンサルティング(株)という所で、ベンチャーファンド兼企業再生ファンドの投資責任者をやっております。今回、吉田所長からの「エルゴ・ブレインズの井筒会長に会いに行く?」という突然のメールに、野次馬根性丸出しの僕としては「いいんですか?」という返事を返したため、ただいま鞄持ち後記を書いておる次第です。
実は私、エルゴ・ブレインズにお邪魔する前に、第36話で登場した株式会社日本アシストの桂幹人社長とお話させていただきまして、この日は僕にとってすごい出会いがあった日となりました。井筒会長と桂社長、ある意味違うタイプの経営者に会うことができて、私にとって大変刺激的な1日でした。お二人に引き合わせていただきました吉田所長、本当にありがとうございました。
ところで、井筒会長ですが、印象に残った言葉を三つ。「僕は広告はできるけど、営業はでけへんから、早い段階で営業は社長に任せました」。経営学的に言えば、会社の規模や環境が変われば、経営者も変わらなければならない、とよく言われますが、これは言葉にすると簡単そうですけど、なかなかできるもんではないと思います。ところが井筒会長はいともあっさりと(少なくとも話し方は・・・)やってのけられた、というところが、さすがやなあと感じました。
また、「属人的にではなく、システマティックに考える」。職人的な仕事でも、それがなんとなくうまくいっている、と思うのではなく、「なぜうまくいったのだろう」、「これからもうまくいくためにはどうすればいいのだろう」、と分析することにより、その成功確率を上げることができるんだなあ、と思いました。
「おもろくなくなったら、やめる」。私もそうありたい、と思います(でも、実際は難しいんだろうなあ…)
私もベンチャーキャピタリストという仕事柄、ほぼ毎日、経営者と話をさせていただいております。生意気なようですが、井筒会長と他の経営者との最大の違いは、「はっきりした方向性と、口に出したことは必ずやりとおす強い意志」だと思います。それが引いては「信頼感」につながるのだと感じました。今回、鞄持ちとして井筒会長にお会いできたのは、私にとってこの上ない喜びです。どうもありがとうございました。吉田所長、また呼んでください。東京から飛んでまいります。ほな。
«「一代目、二代目、三代目、・・・四代目」 第四十四話 株式会社カワムラ 川村耕一 社長 TOPへ 「教育でしか人は育たない」 第四十六話 株式会社アイティーブースト 中村崇則 社長»
